• tomoka kisalagi

ご挨拶、今を生きる

前回の記事から、あっという間に2か月が経過してしまいました。

コロナウィルスのパンデミックが起こり、世界規模で日々刻々と変化する情勢。本当に、一気に大変な状況になりました。


まずはケルタミュージックのスタジオを閉める運びとなりましたことを、ここに謹んでご報告申し上げます。ご声援いただいた皆様へ、心より感謝申し上げます。


若輩者ながら道半ば、歌手としても、講師としても、今後はより自由な形で、優しい、楽しい空間をご提供できますよう、歩みを進めて参ります。


当初、スタジオを離れた後はすぐ、ご訪問型、近隣の音楽スタジオを借りてのレッスンを計画していましたが、現在は再開を無期限休止とし、今後の在り方についてゼロベースから検討しています。



2000年頃にはパラダイムシフトという言葉を耳にしましたが、世界は確実にその時を迎えていると実感します。


音楽も時代と共に多様化しました。サウンドそのもの、また、演奏方法や利用方法も多様化し、人々の生活に欠かせないものとなりました。19世紀後半から20世紀、近代における音楽の大きな変化のひとつに、録音機器の開発が挙げられます。電気録音が誕生し、マイクで集音した音を電気信号に変換して録音できるようになり、音量や音質をコントロール、編集を可能にしました。機器の進歩と共に電子音楽も生まれ、進化し続けています。


歌の表現も多様化しました。歌における大きなシフトは、大きな声で歌わずとも、多くの人に届けられるようになったことです。ボサノバは、ジョビンたちが集まって音作りをした際、近所迷惑にならないよう、ささやくように歌いながら作曲をしたのが始まりと聞きます。ささやくように歌ったものが、マイクやオーディオ機器を通じ、すぐ傍で聴くかのように楽しむことができる。場所を越えて、時を繰り返すことができるようになりました。


それでも人々は集いました。ライブ、コンサート。それこそ、オーディオ機器を利用しての音の体感。会場に集まった人々が一体となって空間作品を楽しむ。時間を共有する。今そこに共に在り、共に聴く、という臨場感。ライブは高揚感をもたらします。アーティストが演奏で音楽を作っていく様を、自身が参加し証人となる、これに勝る体験はありません。人々が集い、創作に参加することは、生来私たちの求むるものと思います。これからも「それでも集まろう」とするのかもしれません。


ITでさらに進化を遂げるはずの21世紀、コロナウィルスによって、世界規模で「集まることのできない」状況が発生した事実は、大きな衝撃です。音楽はネット上でセッションをしたり、ネットの特性を生かした新たな動きもたくさんあります。コロナによってもたらされた新たな世界でのビッグ・チェンジは何か、より一層物理的に近い距離での空間の共有が難しくなったことで、歌はどのように発展していくのか。時間を要したとしても、私なりの答えを求めていきたいと思います。


実際に、私からご提供するレッスン内容を検討するにも、やはりインターネットがキーと考えますが、大変もどかしいのが音質についてです。携帯やパソコンについているオーディオ機器の性能には限界があり、この点で、インターネットを介した歌のオンラインレッスンには足踏みをしています。通常レッスンでは、歌声に含まれる膨大な情報を、より多く知覚した上でガイダンスを行う必要があります。一旦電子信号に変換された音でやり取りを行う場合、音質が良好でなければ声に含まれる情報量が大幅に不足し、ガイダンスの質の低下は避けられません。

また、歌のオンラインレッスンという観点では、音を出せる環境、双方にそれがなければ実現は難しくなりますし、環境によって質が左右されるようになっては良くありません。

このような状況下で、歌はどのように日々の暮らしの中で役立てていただけるか。人生にどのように寄り添うことができるか。様々な問いに向かっています。


ケルタミュージックは無期限の休止に入りますが、その間も、歌という人間活動の、時代に則したあり方や方法を模索し、翻って私はどのように皆さまと共に歌をシェアしていけるか、頼りない自分ではありますが、道を探し続けていきます。


とりとめのない文章となってしまいましたが、ご挨拶と共に残します。

お付き合いいただき、深く感謝申し上げます。


すべては生きるために。皆で生きるために。生きている間の、命の輝きのために。


皆さまのご健康を、心よりお祈り申し上げます。



2020年4月30日 スタジオをクローズ メモ


 

                             

                                

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